午後は夕方まで休診ですがその時間で手術を行うことが多いです。当院で取り組んでいる手術方法をご紹介します。
身体にやさしい腹腔鏡手術(ふくくうきょうしゅじゅつ)
腹腔とは、胃や腸やその他の臓器の納まっているところ、いわゆる「おなか」のことです。
目的は、避妊手術、腹腔内陰睾、膀胱結石、肝生検、腎生検などです。すべてが可能なわけではなく、開腹手術が適している場合もありますので、十分検討します。
ここで、病気の簡単な説明ですが、
*腹腔内陰睾=雄の睾丸がおなかの中に入ったままになる病気です。
*膀胱結石=膀胱内に石がたまる病気です。
*肝生検=肝臓の検査のため一部少量の細胞を取り出すことです。
*腎生検=腎臓の検査のため一部少量の細胞を取り出すことです。

腹腔鏡というのは、写真のような棒状の内視鏡で先にカメラが付いています。
棒の先にメスやら、ハサミやら、マジックハンドやらを取りつけて、テレビモニターを見ながら操作します。

腹腔鏡による手術は、
今までのような開腹手術と違って、傷が小さくて済むことで、空気にさらされていないので術後の腸の動き出しもよく、癒着しにくいなどのことから回復が早く、術後の痛みが非常に軽くて驚くほど元気です。もちろん、美容的にも優れています。獣医師の利点としては、カメラが接近している分、細部まで観察ができ、細かい作業も可能となります。
しかし、手術難度が高いのです。視野が狭いため全体を見ることは難しく、見えていない部分で他の組織が損傷していても見落とされやすいとか、大出血の場合の圧迫止血がしにくいとか、レーザーメスなどで焼切るときに出る煙が排出されにくいとかがあり、これらを解決するためには執刀医とアシスタントのきわめて丁寧で高度な技術と連携が欠かせません。
常に、研究と練磨が必要です。
腹腔鏡手術を行います

おなかに直径3mm〜10mm程度の穴を2〜5箇所あけ、その穴から棒状の器具を挿入します。写真は3個の穴があけてあります。
中央の穴のところにパイプが付いていますが、これは二酸化炭素ガスを注入しておなかを膨らませて、ドーム状にして手術するのに必要な空間を作ります。


穴に器具を挿入して手術が始まります。
マジックハンドで患部を探ります。
他の臓器に傷をつけないように慎重に手術を施す患部までたどり着かなくてはいけません。


手術中は執刀医はモニターを見ながら器具を操作しています。
患部をとらえることができました。
患部の処置が済めば手術としては、ほぼ終了です。


3か所の傷口を縫って完了。